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お久しぶりです

2週間ほど前に需要調査を実施して以来の更新です。
これからは年末に入りますのでますます更新が遅くなると思います。
所で需要調査ですが、予想通りジュスアリが8票で1位となりました。
予想外だったのがアリジュスで、6票で2位。最初の頃はアリジュスリードの時すらありました。さすがはタイタニアにおける王道カップリングですね。逆カプメインのサイトなのにおいでいただきどうもありがとうございます。
意外だったのがアジュアリの4票です。皆さん意外とお好きなんですね。私も大好きです。
さらに意外だったのがその他の1票ですが、項目作っておいて何ですが、その他って何なのでしょう・・・。マイメロ?ヘタリア?う~ん。
カップリングなしも1票ありがとうございます。はい、アイドル計画只今鋭意執筆中です。そのうち載せますので気長にお待ちください。

万一アリジュスが1位になった時のために取っておいた小説は、続きを読むから開きます。
最初はジュスアリ書くつもりで考えたのですが、書いてるうちに、「あ、これはアリジュスだ」と気づいて路線変更をしたのがメモ帳に残っていました。改めて読み直すとカップリングではないような気も・・・。
読みたいとコメントくださった嶌さまへ捧げます。良ければお持ち帰りください。いらなければ放置して下さって結構です。





Present



アリアバートは花を愛でる趣味が無いというより花が苦手であった。
別段花が飾ってある事に対して抵抗を覚えるとかそういうことは無いのだが、花の名前を説明されると途端に無理だった。
ガーベラとかカスミソウとか言われても、全く覚えられないのだ。
なので出来れば花とは関わりあいになりたくない。
そんなアリアバートの主張に、ジュスランが疑問を差し挟んだ。
「何故覚えられないんだ。簡単だろう、花の名前を覚えるくらい。貴公は記憶力も良いのだし・・・。」
しかしアリアバートは否定する。
「駄目なんだ。例えば椿があるだろう。」
「あるな。」
アリアバートは少し遠い目をして過去を思い出した。
「以前椿園を案内するといわれて行ったのだが、最初に見せられたのは、花びらが4~5枚の紅い鐘状の花だった。
だが、次に見せられたのは、斑な模様の八重咲きとか言う花びらが多くてひらひらしたどちらかというと薔薇か牡丹の様な花だった。
最初別の花かと思ったのだが、それも全て椿という。俺には無理だと確信した。」
「それは適当に見ているからだ。丁寧に観察すれば、牡丹も薔薇も八重咲きの椿も違いがわかるはずだ。」
お手上げ状態のアリアバートに比べ、ジュスランはどことなく詳し気な様子である。アリアバートは少し意外であった。
一番親しくもあり、よく知っているはずの従兄弟ではあるが、互いの趣味思考について詳しく語り合った事はあまりないのではないかとアリアバートは思い至る。
「なんだ、ジュスラン卿は花がお好きなのか。」
アリアバートの問いに、ジュスランも特に否定はしない。
「まあ、嫌いではない。」
どちらかと言えば肯定とも言える。
「珍しいな。」
アリアバートの素直な感想であったが、しかしそれは偏りすぎた見解だ。
「珍しくはない。どちらかと言えば花が苦手と言うほうが珍しい。」
ジュスランの言う通りであろう。花の苦手な人間は少ない。そうでなければ、花を贈る習慣が広く定着しているわけがない。
「そうか。」
ジュスランの説明に簡単に納得した。世間の大勢と違った嗜好を持とうとも、アリアバートは素直な面を持ち合わせているので、他者と対立する事が少ない。アリアバートの美徳の一つに数えられるだろう。
「そうだ。特に女性などは、花を贈られれば喜ぶだろう?」
「・・・そうか?」
アリアバートは目を泳がせ、同意する事に躊躇した。
花を贈るのは、意中の女性にアピールしつつ親しくなるには効果的な方法である。ジュスランは当然アリアバートにも花を贈った女性の一人や二人はいるだろうと考えていた。
しかし目の前の美男子の表情はと言えば、『心当たりがない』とでも言いたげである。
「・・・アリアバート卿、よもや女性に花を贈った事がないとは言うまいな」
まさか同意されまいと思いつつ疑わしさを拭えぬ声で尋ねるが、アリアバートにはいささか常識はずれの気があった。
「何か問題が?」
あっさりと答えてくれる。
ジュスランは呆れた。
この見た目だけならばいかにも貴族的で優美な美貌を持つ従兄弟は時々、いかにも武人といった風情のザーリッシュよりも無骨なところがあり、その度ジュスランは見た目とのギャップに悩まされる。
「それだから君は浮名の一つも流せないのだ。」
「人の口に上らぬだけの話だ。俺とて愛人の一人や二人・・・」
「それで花の一つを贈る甲斐性もなくふられた、と。」
「俺がふられた事と花を贈らなかったことは関係がない。そもそも俺の付き合った女は花などいらぬと言っていた。」
アリアバートとて世間一般の風習に従って恋人に花を送ろうとした事はあるのだが、事前に確認を取ったところ、それよりもっと実用的な物をと要求されたのだ。
「(本当にふられていたのか・・・)アリアバート卿の付き合う女性の趣味は知らぬが、花を贈られて喜ばぬ女性はいない。少なくとも花を貰って怒る人間は絶対にいない。」
勿論そこに悪意がなければの話ではあるが。
「そういうものか?」
「そういうものだ。」



・・・と言うような会話のあった後日。ジュスラン・タイタニアの邸宅に大量の花が送られた。
「何だこの嫌がらせのような量は。一体送り主は誰だ」
屋敷中の床が埋まるほどの花。使用人達はその処理にてんてこ舞いだった。
「それが・・・花屋によりますと、アリアバート・タイタニア公爵のご注文と言うことで・・・」
「アリアバート卿・・・?彼は限度というものを知らんのか。しかも何故私に花を贈る必要がある。近々何か祝い事があるか?」
とジュスランが執事に尋ねると
「いえ、何も・・・」
と答えた。ジュスランの記憶にある限りでも少なくともここ1ヶ月以内に花を贈られるような祝い事など何もない。
「一体どういうつもりだ・・・!」
数多の種類の花に埋もれ、ここまで多くの花のがあるといっそ臭いなと思いながらジュスランはアリアバートの嫌がらせを確信してていた。そばに控える執事は、ジュスランの額に青筋が浮かぶのを目撃したとかしないとか・・・。


「ねえ、ご存知?アリアバート様が、ジュスラン様にお花をお贈りしたらしいわよ。それも、ウラニボルグの花屋の在庫だけでは足りないからと、他の星から仕入れてまで!ジュスラン様のお屋敷は花で埋もれるほどだったとか・・・」
「勿論存じ上げておりますわ。ウラニボルグ中その噂で持ちきりよ。」
「・・・ジュスラン様のお誕生日はいつでしたかしら」
「半年後くらいではなかったと思いますわ。」
「それではお花にはどのような意味があるのでしょう?」
「それはやっぱり、ねぇ」
「やっぱり?」
「ええ、それは勿論」
などという会話がウラニボルグを駆け巡った。
アリアバートには珍しい"浮名"であったが、相手が相手なので皆真相を知ることを恐れて75日と待たずに噂は立ち消えた。(それでも人の記憶には残ったであろうが)


1週間ほど経ち、そろそろ噂が聞かれなくなった頃(要するに全ての人の耳に入り終えた頃である)、改めてその事件を持ち出す者があった。
「それで、アリアバート卿はどのようなおつもりで花を贈られたのか?」
とアリアバートに面と向かって尋ねられる者は少ない。噂の相手が相手だけに、よほどの立場と勇気が必要になるからだ。それに該当する人間と言えば四公爵か藩王以外にありえなく、この場合はイドリスであった。
「ジュスラン卿が花を贈られて喜ばぬ人間は少ない、おこる人間は絶対にいないと言うもので。」
「成る程、ジュスラン卿から催促なされたのか。」
「催促と言うわけではないのだが、花が好きらしいから、贈ったら喜ぶかと思ったのだが・・・」
軽い溜息をついた表情で、イドリスはその結果を察した。
「喜ばなかったと。」
「怒られてしまった。何故だろうな」
アリアバートはジュスランが花を好きらしいという情報を得た後、すぐに花屋を呼び適当な金額を渡してジュスランに花を贈るよう指示をした。それが正しく'適当'な額であったならジュスランとて怒りはすまいが、その金額は'適当'をはるかに超えた額であり、また、花屋が不正を働くような人物でもなかったことが災いして、花は迷惑としか言いようのない量になった。
その後すぐに弁明し、何とか誤解を解くことにだけは成功した。アリアバートは、ただジュスランの喜ぶ顔が見たかっただけなのだ。




  後書
天然アリアバートには冷静で思慮深いジュスランも時々振り回されると言う話。
アリジュスというよりアリ→ジュスな話だと思っていたのですが、改めて読み直すとそれすら怪しい気もします。
期待してくれたお客様がいらっしゃいましたら、誠に申し訳ありませんでした。
オチにイドリスを出したのは、ただ単に彼以外いなかったからです。
アジュマーンは難しかったし、ザーリッシュはホモ嫌いでその手の話題は避けそうなので。

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