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文化の違い

ヘタリアって最近随分と流行っているようですね・・・。
私もヘタリアは大好きです。最初にはまったキャラはリトアニアでした。
でも日本と中国も可愛いなとか、ロシアは意外と受けでもいいかもしれないとか、あまり決まったカップリングはないです。

続きを読むからヘタリア小説へ。
カップリングなしで中国+日本。ほのぼのです。
「中国さん、ご招待ありがとうございます。」
中国の家の玄関で中国に出迎えられ、着物姿の日本は美しい所作でお辞儀をした。
今日は珍しい事に、中国が日本を食事に招待したのだ。
「礼は良いあるよー、四川の時世話になった御返しある。」
と、中国が日本を笑顔で出迎えた。
以前は会う事もままならなかったが、ここ数年で随分と関係も良好になたものである。
「さ、入るあるよ。もう用意はできているある。」
中国が家へ入るよう促す。
「それでは失礼いたします。」
日本は草履を脱ごうとして思いとどまる。中国では外履きを脱がずに家に入ることを思い出したのだ。
中国に案内されて食卓へ座ると、次々とおいしそうな料理が運ばれてくる。
「我が腕によりをかけて作った世界一の中華料理ある。さあ、食べるあるよ!」
中国が自慢げに言った。
二人で食べるにはどう見ても多すぎるその量。日本は少し目眩がした。
「とてもおいしそうですね・・・いただきます。」
両手を合わせ、食前のあいさつをする日本は、食事の味よりも量の方が気になっていた。
最初に見た時、同じ料理を盛られた皿が二皿ずつ用意されていて、大皿で食べ分ける中国にしては珍しいと思い、少しして日本の食文化に配慮したのだと気がついた。
しかし一人分であるはずのその皿にのる料理の量は、一人分と言うより二人分くらいには見える。
「あの、私以外にも誰かいらっしゃるのですか?」
かすかな希望を込めて聞いてみる。
「今日招待したのは日本だけあるよ。」
日本のかすかな望みを、中国は簡単に断ち切った。
「そうですか・・・」
日本は諦めて料理に手をつけた。その味は確かに格別のもので、やはり世界三大料理は違うと思いはしたが、全て食べきる自信はやはりわいてこなかった。
「どうある?」
「おいしいです、とても」
その言葉に嘘偽りはなかった。どの皿も、確かにおいしい。きっと、中国が腕によりをかけて作ってくれたのだろう。
その心には感謝しつつ、日本は心の中で冷や汗を流していた。
(どうしましょう・・・もう、腹八分目を過ぎました・・・)
一皿一皿が一人分としては多いうえ、出された皿の数も決して少なくはなかった。
それ故日本の前に並ぶ皿はまだ半分にも減っていない。
「日本、おいしいあるか?」
「ええ、おいしいです。」
雑談を区切っての中国の質問にぎくりとなる。
(表情に出ていたでしょうか?)
まずくはない。決して。
味は最高なのだ。だが、日本の胃は、すでに限界に近く、飲み込むのに精いっぱいで、味わう余裕がなかった。着物の帯をきつく巻いてこないで本当に良かったと思う。
それでもなんとか褒め言葉を口にする。
「特にこの甘酸っぱいたれがたまりません。」
「やはり日本には分かるあるね。このたれは秘伝の・・・」
どうやら日本の表情に気付いたというより、料理の解説をしたかっただけのようだ。
(さあ、もう一皿、もう一皿です!)
すでに喉の中にまでいっぱいの気がする。
それでも何とか自分自身を奮い立たせて最後の皿に手をつける。
(ああ、どうして最後の一口って、こうも飲み込みにくいのでしょう・・・)
それでもなんとか最後の一口を嚥下したとたん、中国が言った。
「次はデザートあるよ。」
それでも日本は笑って見せた。
「それは楽しみです。」
 ・
 ・
 ・
「中国さん、本日はお食事にお招きいただき、ありがとうございました。」
日本は来た時と同じく美しいお辞儀をしたが、頭を下げたとたん、吐き気に近い感覚を味わう羽目になった。
最初は緩めだった帯さえきつくなり、日本はそれでも奇妙な達成感を感じていた。
家路につき、中国の家が見えなくなったころ、日本は小さくガッツポーズをした。
(やった!私はやりましたよ!あの量を全て食べきりました!)
日本が奇妙な達成感に酔いしれているころ、中国は日本の皿が奇麗に空になっているのを見て考え込んでいた。
(意外と大食漢あるね。あの量では足りなかったあるか?次はもっと量を増やすある。)




   後書

何でも中国では、食事は少し残すくらいが礼儀らしいです。
「たくさんの食べきれないくらいのごちそうをいただいてありがとうございます、もう入りません。」みたいな意味だそうです。(うろ覚えですが)
対して日本は出されたものは残さず食べるのが礼儀。
この差は面白いと思って書きました。


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