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アイドル計画1

以前宣言したタイタニアでアイドルというかなり色ものな小説です。
今回はまだデビューしておりません。
次もデビューする予定はありません
デビューは3話目からです。
構成を考え直すべきかと絶賛後悔中です。

こんなアホみたいな話でも読んでやろうという人の好い方は続きを読むからどうぞ。






「さて、諸卿も知っての通り、昨今は反乱や謀反の企みが多い。この問題について意見を述べてもらいたい」
アジュマーンの言葉に、四公爵それぞれが意見を述べる。
「無論、それらの情報をいち早く察知し、叩き潰すことこそ最上の策と存じます。」
一番最初に一番単純な力技を述べたのがザーリッシュだ。
「やはりここは、ヒューリックを使って反乱分子を一箇所に集め、一気に壊滅させ、それを完膚なきまでに叩き潰し、反乱や謀反などと言う気が起きなくなるほど徹底的に始末した後、大々的に公表して見せしめにしてはいかがでしょう。」
タイタニアの陰湿な部分を代表するような意見を述べるのは、当然イドリスである。
「いや、それでは無用の反抗を仰ぐだけだ。多少の懐柔策をたて、反乱の気骨を挫く事が最も効果的だと思われます。」
とはジュスラン。さすが穏健派と言われるだけのことはあるが、よく考えたら一番腹黒い意見ではないだろうか。
「成る程、性格は悪いが有効な策かもしれない。藩王殿下、私もジュスラン卿の意見に賛成します。
何度か鞭は振るいましたが効果は少ないように思えます。そろそろ飴の時期なのではないかと。」
性格悪いと知りながらそれを気にしないのは、一部にお人好しと思われつつやはりアリアバートもタイタニアである。飴と鞭を同時に揮い人心を操作することに些かの戸惑いもない。
「皆の意見は相分かった。今回はジュスラン卿の意見を採用するとしよう。」
イドリスが歯軋りしそうな表情でアリアバートとジュスランを睨んだが、誰も気にする者などいない。いつものことなのだ。
「ありがとうございます。
では、その懐柔策についてですが・・・」
ジュスランは懐柔策については前々からいくつか案を練っていた。通行税の引き下げや、反乱罪の刑罰の軽減、検閲の緩和、タイタニアの犯した犯罪に対する規制の強化・・・。
しかしそれはアジュマーンによって遮られた。
「それについては私に考えがある。ここに計画書を用意した。貴公らにはこの計画の通りにしてもらう。」
アジュマーンの言葉を合図に、それぞれの前に計画書が配られた。なぜか紙の媒体である。今時珍しい。
「藩王殿下、なぜわざわざ紙に?」
ザーリッシュの疑問は当然のもので、他の三公爵も同じ疑問を抱いていた。その疑問に対するアジュマーンの答えは端的だった。
「極秘の計画ゆえ」
どれだけ情報技術が進歩しても、情報の管理は人間がする以上漏れるのを防ぐのは難しい。特に、電子化された情報というのはコピーや改ざんが容易である。それ故極秘の情報などは、今でも紙の媒体を使うことがあるのだ。
公爵たちはもちろん即座にそのことを理解した。
そして順序立てて考えるに、ここにその極秘の計画書があるということは、もともとジュスランが言わずともアジュマーンはその結論に行きついていたということだ。逆に考えれば、この計画書を出すためだけに冒頭の問題を投げかけたとも言える。
さてその計画の内容はと言うと。
  ・
  ・
  ・
「藩王殿下、お聞きしてもよろしいでしょうか。この計画にはいったいどのような効果を見込めるのですか?。」
と、アリアバートは当然だが場合によっては無礼になりかねない質問をした。この質問はこの場合には無礼には当たらない。先ほどまで話し合っていた反乱や謀反の対策からは唐突すぎたのだ。
そしてそれはアジュマーンも想定のうちだったので、アリアバートは特に何の御咎めを食らうこともなかった。
「アリアバート卿には分からないか。ジュスラン卿はどうだ?」
アジュマーンはジュスランに振った。彼が一番自らと思考が近いと考えているからだ。
「恐れながら、私にも・・・」
だがさすがのジュスランにも分からないようだった。
他の二人もアジュマーンの意図が分からないようで、沈黙を保っている。
まあ当然と言えば当然だった。そもそも順番が逆なのだ。アジュマーンは反乱対策のためにこの計画を出したのではなく、この計画を実行に移したいがために反乱対策のことを持ち出したのである。
「そもそも民衆というのは勝手なものだ。税金の引き下げなどで民心を慰撫することは可能であろうが、それは一時的なものだ。どれだけ税率を下げた所で、ゼロになるまでは税金を下げろと言い続ける。それが民衆だ。
よって今回は、別の視点から懐柔を試みようと思う。それがこの計画だ」
「別の視点・・・ですか?」
公爵たちにはまだ理解が及ばぬようだった。
「タイタニアに親しみを持ってもらう必要はないが、好意を持たれれば反乱など起こそうという気はそうそうおきない。幸い現公爵である貴公らは若く、そして美しい。美しいものに好意を持たない人間は少ない。
貴公らには飴の役目を果たしてもらう。」
何だか言いくるめられている気がしてきた公爵たちである。
「しかしそれは本当に私たちである必要があるのでしょうか。誰か下位の者にやらせてはいかがでしょう」
イドリスの言葉はこれまた当然の意見であった。
しかしアジュマーンの意思は固い。
「もちろん諸卿である必要はある。
下位の者ならば『タイタニアにも美しい者がいる』という程度ですまされるが、タイタニアを司る五家族頭首の諸卿ならば『タイタニアは美しい』という評価になる。この違いは重要だと思うが、何か意見のある者は?」
常識人であるアリアバートはやはり常識的な意見を出した。
「それでしたら、藩王殿下もご一緒になさる方が効果的なのでは?」
その意見には即座にアジュマーンが否やを下した。
「私はもう若くない。ではもう質問はないな?」
40という若さで宇宙を統べる地位に就くアジュマーンの並々ならぬその迫力に、誰が逆らえるであろう。そんな者は居やしない。
その沈黙に、アジュマーンは最後の言葉を下した。
「計画の良好な遂行を期待する。」

『ザ・タイタニア計画』
配られた企画書のタイトルである。その下の副題には、『アイドルグループ売り出し計画書』とも書いてあった。

早い話が、藩王殿下の勅令により、タイタニアの若き四公爵はアイドルグループとしてデビューすることになったのである。



   後書

何が悲しいって、こんなに長々と書いておいて、意味があるのは最後の行だけってところです。
他のところは全部ただの前ふり。
私は小説を書くときはいつもそうです。書かなくてもいいような説明やら前ふりやらばかりに気を取られて、結局書きたい本質はほんの少し・・・。絶対にここまで書く必要なんてなかったのに。
でもどこをどう削ればいいのかすら分からないんです。

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