2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

モラル

ジュスアリを考えるとき、やはり「兄弟」というのは重要なキーワードだと思うのです。
まあ、タイタニアである彼らならあまりそう言うことは気にしなさそうですが。
でももし兄弟であることを気にするなら、ジュスランよりはアリアバートだろうなと妄想して書いた小説です。
内容は薄いですので、あまり期待しないでください。




ジュスランとアリアバートは友人として知られている。例えばジュスランとイドリスが対立すれば、アリアバートは確実にジュスランにつくと言われている。
もっともイドリス卿は誰にでも棘のある性質なので、アリアバートとの関係も良好でないこともあるが。(この例えで゛アリアバートとイドリスが対立すれば・・・〝とならないのは、単に人望の差であろう。)

そして評判に違わず二人は仲が良かった。タイタニアにしては些か珍しいくらいに。
であるからして、二人がどちらかの私室で紅茶を飲みながら談笑することは珍しいことではない。珍しかったのは、その日二人の間に漂う雰囲気であった。
その時使用人すらさがらせて二人きりであったので、二人以外にそれを感じる者はいなかったが。
二人の間に、ふと沈黙が下りた。不快なものではなかった。ただ、見つめ合う目の先に、二人同時に同じものを見たのだ。
「アリアバート・・・」
行動に移したのはジュスランだった。
アリアバートに手を伸ばし、頬に触れる。指先が髪に触れ、優しくなでた。瞼や唇をいとおしむ様に辿って行く。
アリアバートも、決して抵抗はしなかった。
だが、発した言葉はジュスランの手を止めた。
「それは、従兄弟に対する触れ方ではない。」
どこか恍惚に浮かれたようだったジュスランの顔が、硬くなった。
ジュスランとアリアバートの感情は双方向性のものだとジュスランは認識していた。ただきっかけが無かっただけだ。アリアバートの視線、声、しぐさ。そのすべてに、自分と同じものを感じていた。それは勘違いではなかったはずだ。
それが二人の従兄弟という公式以外の秘密にされるべき出生に関わるものかどうかはわからない。だが、『触れたい』そう思う感情だけは確かに二人の間に存在していた。
「従兄弟・・・ではない、俺たちは、それだけではないはずだ。そうだろう?アリアバート」
だからこそ、こんなにも触れたくなるのだろうか?
ジュスランはアリアバートに問いたかった。だがアリアバートはただ否定の言葉を口にした。
「それなら、なおさらだ。」
ジュスランはアリアバートから手を離し、立ち上がる。
「・・・貴公がそういうのなら、もう、いい。」
ジュスランはそのまま部屋を退室したが、アリアバートはその背中を見送りもしなかった。
わかっていたことだった。アリアバートが常識やモラルを重視する性質であることは。だがとにかく今はそれが腹立たしくて仕方が無かった。




   後書
これの冒頭部を書いていると、他の人から見た二人と言うのを書いてみたくなりました。どれくらい仲良しだと思われてるのでしょう?想像するとうきうきしてきます。
最初この話は二人がくっつくまでと想定していたのですが、思いっきり駄足になってしまったので別の話で書くことにしました。

コメント

Secret

プロフィール

どろやま

Author:どろやま
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード