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アイドル計画3

本当にお久しぶりです。
何か月ぶりでしょうか。
間があく事は予想していましたが、まさかこんなに開いてしまうとはさすがに考えてもいませんでした。
待っていて下さった方には大変申し訳ありませんでした。

結局デビューはまだです。


ドシンと派手な音がして、振り向いたアリアバートは驚いた。
「ジュスラン卿!大丈夫か!?」
ジュスランがこけていたのだ。
「ああ、大丈夫だ。
・・・だが、少し休みたい。」
「その方がよさそうだな。
イドリス卿、ザーリッシュ卿、そろそろ休憩に入ろう。」
アリアバートの言葉に、イドリスが荒い息で応えた。
「仕切らないで頂きたい。」
しかし休む事自体には反対しなかった。イドリスもだいぶ疲れているようだ。
休むことに不満があるのはザーリッシュだけだ。
「軟弱な。軍人たるものこれしきの事で」「人の体力には個人差があるものだ。貴公が体力に恵まれているからと言って、他の者に同じであるよう強要するのはよくない。」
息の整わないジュスランに代わって、アリアバートが擁護する。だがアリアバートはジュスランが『軟弱』である事を一切否定しておらず、ジュスランはわりと傷ついた。
しかし、ザーリッシュやアリアバートからすれば、ジュスランやイドリスなどは軟弱な部類に入るのだろう。
ザーリッシュもアリアバートも、激しい運動の後であるというのに、うっすらと汗を浮かべるのみで、口論を繰り広げるだけの余裕がある。それに対して、いつもは口の達者なジュスランとイドリスは荒く息をついいて、汗は止めようもなく流れ落ちる。ジュスランに至っては、座っているだけで精一杯だ。
「大丈夫か?ジュスラン卿」
と聞いてくるアリアバートは、疲れ切ったジュスランと違い、至って涼しげである。
そんなアリアバートの着ている服はジャージだ。ジュスランも勿論ジャージで、当然ザーリッシュとイドリスもジャージだ。
それぞれ専属のデザイナーが精魂こめてデザインして作り上げたとはいえ所詮はジャージである。それなのにそれが妙に似合い、かつ高貴さやら上品さやらが失われず、その上何故か全く印象に残らない。それがアリアバートだ。
イドリスは、目を引く美貌とジャージが全く合わず、できの悪いアイコラでも見ているようだ。
ザーリッシュは文句なしで似合っている。まるでジャージを着るために生まれてきたかのようですらある。(さすがに言い過ぎかもしれない)
ジュスランは…。ジュスランは、現在の己の格好についてはあまり考えないようにすることで、何とか精神の均衡を保っていた。
「しかし、ジュスラン卿の予想は大外れだったな。」
と、イドリスが荒い息のまま愚痴めいた事を言う。
「・・・まさか、藩王殿下自ら、我らの職務を肩代わりしてまで時間を作るなど、誰に予想できるというのだ。」
荒い息を切れ切れに、ジュスランが反論した。
「決まったものは仕方あるまい。我らはそれを忠実にこなせばいいだけだ。」
とっくに息を整えたザーリッシュが、模範的な事を言う。
「しかし、ザーリッシュ卿。俺にはそろそろ時間を作るのも限界だ。ある程度は藩王殿下が代行してくれるとはいえ、これ以上公務を疎かには出来ない。せめて簡単な振り付けに変えたほうが良いのではないか?」
『振り付け』そう、ダンスである。公爵たちのアイドルデビューにあたり、ジュスランの当初の予想と違いハードな踊りが課された。
現在はそのダンスの特訓中である。だからこそ動きやすさを追求してのジャージなのだ。
「で、ですが藩王殿下の御命令は…」
四公爵の迫力のある視線を浴びて縮こまったのは、ダンスの振り付け師だ。
びくびくと怯えて、それでいてアリアバートに反論するのは、ひとえにそれが藩王の命令だからだ。アリアバートより、藩王が恐ろしいゆえだ。
アリアバートは深く溜息をついて、安心させるように言った。
「藩王殿下には俺から言おう。俺の判断と言う事にして、誰にも迷惑はかけぬようにする。」
こうして簡単な振り付けに変えることになったのだが、一時間後にはダンスはなくなり、演出すら変えることになった。
ジュスランがこけた際、足首をねんざしていたことが分かったのだ。





   後書

書いていてなんですが、踊っている彼らを全く想像できません。
そこが文章の良い所だと思います。たとえ絵的に想像できなくても、何となくで書けちゃう。(まあ、書けなかったから、踊っている所じゃなくてジュスランがこけた所なのですが)
しかし、四人が踊っている所を想像すると、笑えます。社交ダンス以外はあり得ない。

あと、ジュスランファンにはごめんなさい。
ジュスランは運動音痴というわけではありません。
軟弱と言うわけでもないんです。
ただ、アリアバートとザーリッシュが異常なだけ。
四人の体力差は、以下のような感じに想定して書いています。

ザーリッシュ>>アリアバート>>>イドリス>ジュスラン>普通の人

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